カトーさんの選択。

以前にもここでちらった触れたことのある

カトー製のサウンドボックスの詳細が正式に

同社ホームページに掲載されました。

「アナログ・サウンド・ボックス(Analog Sound Box)」

です。

来年2015年1月に定価279.99ドルで

発売予定だそうです。

KATO Analog Sound Box

KATO Analog Sound Box

 

以下同社の広告内容の概略です。

この製品はカトーとサウンドトラックス(SoundTraxx)社

のコラボによって生まれました。 サウンドトラックス社

と言えばツナミ(Tsunami)サウンドでお馴染みであり、

アサーン社が採用しているDCC機器メーカーです。

 

1.シンプル、多用途、パワフルサウンド

この3つの要素が本製品の開発コンセプトとのこと。

お手持ちのアナログコントローラーと併用するだけで

楽しめるシンプルさ。

アナログ車全てにそのまま無改造にて使用できる

多用途性。

そして本体にスピーカーを内蔵しているため

大音量でも楽しめるパワフルサウンド。

2.インキャブ体験(In-Cab Experience)

サウンドは動力車からではなく、このサウンドボックス

内蔵スピーカーから聞こえるしくみですので、

まるで運転室(キャブ)でサウンドを聞いている

感覚。 本体にはステレオアウトプット端子が

装備されているため、お手持ちのヘッドフォンや

外部スピーカーを使用することも可能。

3.スピードにシンクロしたサウンド

動力車のモーターが発生する逆起電力を

読み取るため、スロットルの位置によらず

常に動力車自体のスピードに同期した

確かなサウンド。 このしくみにより、

Nゲージ、HOゲージのどちらにも使用可能。

 

以下、ケンズレールロード流解説です。

少なくとも現在の米国では、サウンド用

スピーカーは動力車に限らず車両本体に

搭載する手法が主流です。

そんな中、カトー製品にはずっと新製品にさえ

サウンド標準搭載はなされませんでした。

単なるデジタルボードさえオプションです。

その理由がこの製品、いや、カトーさんの想い、

哲学に根ざしていたのでしょう。 その想いとは

既存の多数のアナログ車、そして、同社のみ

が抱える日本国内市場への想いであると

私はかってに考えています。

コンピューターのソフト用語を用いて

表すと、いわゆる「下位互換」への熱い想い

なのではないでしょうか。

模型車両のデジタル化はアメリカであまりにも

急激に進みました。 しかし、現行の進化様式は

他のこの世の人工的進化と同じく、旧製品を

切り捨てる手法でした。 当のアメリカにおいて

さえ、この方向に違和感を感じるユーザーが

増加し、結果としてアナログコントローラーでも

変わりなく運転とサウンドが楽しめる

デュアルモードのDCCが現在主流となって

いるわけなのです。

カトーさんの想いもきっとそんなところに

あったのではないでしょうか。

この製品の使用感は実際に体験して

みなければなんとも言えません。

ただ、しくみから判断できることは、

既存のサウンドシステムは客観的

サウンドであり、それは丁度、

機関車の外部から機関車を眺めている

人々が耳にする音でしょう。

それに対して本製品のサウンドは

主観的サウンドだと考えられます。

運転室で自分が操縦しているときに

耳にする音なのでしょう。

この違いは、例えば蒸気機関車に

急こう配でディーゼル機関車が補機

として走行する場合にはっきりと

わかるでしょう。

※本製品が複数動力車で使用可能かどうかは

わかりません。

従来の自己搭載型であれば、当然

蒸気機関車からのサウンドとディーゼル

からの別のサウンドが同時に聞こえます。

外から見ている客観型ですから。

しかし、本製品では、蒸気機関車か

ディーゼルか、どちらか一方しか

聞こえません。 ちなみに、本製品の場合

サウンドデータは差し替え式カートリッジ

として、動力車タイプ(蒸気、ディーゼル・・・)

ごとに順次発売されるようです。 本製品には

現在のところEMDディーゼル初期タイプの

サウンドカートリッジが同梱される模様です。

話を戻しますと、もし自分が蒸気機関車を

運転していたいのなら、蒸気機関車用サウンド

カートリッジで操作すればよく、たとえその

状況が蒸気とディーゼルの重連であろうと

運転者には殆ど蒸気サウンドしか聞こえない

はずというしくみになるわけです。 ディーゼルを

運転する場合はその逆です。

もしかすると将来、蒸気機関車とディーゼルの

重連用カートリッジとか、異種蒸気機関車の

重連用などのちょっとマニアックな客観的

サウンドバージョンが発売されるかも

しれませんね。 客観的サウンドか

主観的サウンドか、皆様のお好みに

合わせて選択されてもよいのでは

ないでしょうか。

 

生き物には人間に限らずもともと個性が

あります。 さらにはこの世では、同じような

個性であっても異なる立場、異なる状況で

異なる価値観を個性に加えてもつことに

なります。 そしてその生き物のみに

限ったとしても年齢、経験、出会いなどにより

すべては移ろい、巡り、変化してゆきます。

少なくとも文明に対しての進化とは、いかに

細やかにそれぞれの個性、価値観、立場、状況に

対応できるかということのように思います。

それはちょうど、かつて下着にワンサイズしか

なかった時代から、個性に応じてS,M,L、LLなどの

サイズが生まれそして、状況に応じた夏用素材、

保温素材などの商品が生まれていることと同様です。

その想いさえあるなら、人間にはちゃんとそれを

実行できる能力が備わっているのです。

 

社会の仕組みがそのようであることがきっと

生き物の真の幸福につながっていくのであろうし、

また、それが文明の継続的進化

の必要条件の一つであるようにも感じます。

それぞれの立場、経済的収入、状況などがかつて

なく多様化してしまった現在、それらに対して

たった一つの消費税率の強制で対応してゆくことは、

文明の適切な進化の方向から考えれば、

やはり無理のあるその場しのぎの方策であるように

私は感じます。 その意味で、今回のカトー製品は

少なくとも多様な価値観を有するユーザーに

デジタル進化に対する新たな別の選択肢が与えられた

という点でも素晴らしいのではと感じるのです。

 

ありゃりゃー、話がえらく飛躍しすぎましたでしょうか?/(^-^;;)

もしどなたかこれを読まれて不快にお感じになった方が

いらっしゃいましたら申し訳ございません<(_ _)>

 

それではみなさま、また次回までさようなら(^0^)/