かなりこだわりのNWSL製メタルホイール!?

 

 

本日もケンズレールロードへ

お越しいただきましてありが

とうございます。

 

さて、今日は久しぶりにメタル

ホイールのお話をさせていただ

きます。

皆さんは、「ノースウェスト

ショートライン(以下NWSL:

NorthWest Short Line)」とい

うメーカーをご存知でしょうか。

ケンズタウンでは今回初めて

同社のメタルホイールを仕入れ

てみました。

ホームページを検索してみます

と、かなり車輪にこだわりをも

ったメーカーで、Nゲージ用以

外の全スケール、またホイールタ

イプも車輪径、車軸先端形状など

バリエーションがかなり多数あ

ります。

36インチタイプのNo.27518-4と

33インチタイプのNo.7417-4が

先日入荷しました。

今日は、このうちの36インチ

製品について少しご紹介をさせ

てください。

NWSL ノースウェストショートライン メタルホイール 36インチ 36” NorthWest Short Line Nゲージ 外国製ホイール

ノースウェストショートライン(NWSL)製の36インチタイプメタルホイール、4個入りです。

「黄色と緑の組み合わせは

昔のミニトリックスの

箱に似てるねー (^^ 」

 

ちょっとパッケージが古っぽい

感じもするけど、硬派なイメー

ジかなー。 で、そのせい?か

お値段も割りに高いです ・笑・

 

この製品は、軸長が0.540

インチとのことで、同じくメタ

ルホイールを多種製造している

フォックスバレー社(以下FVM)

のラインナップにもある寸法です。

そこで、今回はFVM製品の中か

ら、同一軸長、同一径表示の

No.3610と比較をしてみたいと

思います。

 

NWSL メタルホイール外観比較 フォックスバレー 36インチ フランジ 車軸の色 Nゲージ

特別出演のMTL33″メタルホイールも含めた外観の比較です。 外観だけでその特徴がはっきりとわかるNWSL製品です。

「三つとも特徴がわかって

なんや楽しなるなー (^^) 」

 

そうだねー、日頃は小さく見え

ているから、こうして拡大する

とちょっとおもしろいよね (^^

 

車輪を見るポイントは、各種

寸法や形状、色、素材など

かなりたくさんあります。

 

「ほな、最初は素材と色から

おしえてーな。」

 

はいはい、了解!

車輪の材質はNWSL製、FVM

製、どちらも非磁性の真鍮で、

ニッケルかニッケルシルバーの

メッキ処理が施されているよう

です。

FVM製では車軸も含め全体が

(艶消し)黒化処理(Blackened)

されていますがNWSLでは車軸

のみ黒化です。

 

「車軸の太さとか色味の外観は

どれもほんものっぽいかんじ

でたぶんこだわりなんやろね。」

 

それに車輪が回転することや力

がかかることも考えると、やっ

ぱり車軸は変形に強い硬さのあ

る金属製が理想だと思うよ。

 

車軸を金属製にするデメリット

は、少なくとも片側車輪に対し

て絶縁をしなければならない点

です。 両者では、手前側で

樹脂製ブッシュを使用すること

で車輪との絶縁が行われていま

すね。

パッケージ表記によりますと、

NWSL製ではそのブッシュに

高機能性のエンジニアリング

プラスティック(通常呼称エン

プラ)であるアセタール樹脂

(Acetal)が使用されています。

エンプラは、通常のプラスティ

ックと比較し、強度や耐久性が

格段に優れており、中でもアセ

タール樹脂は耐熱性が高いこと

で有名です。

 

「なんかメタルホイールの

専業メーカーみたいな高

品質やねー (^^ 」

 

パッケージに表記するという

ことはそこも知って欲しいこ

だわりのポイントなんだと

思うよ。

 

「ほな、次は外観やな。」

 

外観は見たままだよ ・笑・

 

恐らく皆さんが最初にお気付き

になるのがフランジ量の違いで

はないでしょうか。

後ほど数値でお知らせしますが、

NWSL製のフランジ量はFVM

製の半分未満です。 けれども、

FVM製のフランジ量は他社製

などと比較してもことさら大きい

レベルのものではありません。

つまり、NWSL製が際立って

小さいのです。

北米では、フランジ量がかなり

大きな昔の車輪のことを「ピザ

カッター」などと比喩しますが、

FVM製は決してピザカッター

ではないむしろ平均よりも小さ

いくらいのフランジ量レベルです。

 

そんなFVM製もNWSL製と

並べて比較すると、フランジの

大きさが目立ちますね。

実は実寸の車輪径(フランジを

含まない)はむしろNWSLの

方が若干大きいにもかかわらず、

フランジが錯覚現象を引き起こ

しFVM製の車輪径の方が大きく

見えます。

 

「ほんまや、絶対FVMの方が

おおきみえるて!」

 

物差しかなにかで径を計って

ごらん? ほとんど同じだから (^^

不思議だねー。

 

あと、外観ではコンチュアが

異なります。 コンチュアと

は車輪面の凹凸(起伏)形状

のことです。 また、NWSL

製の方がオフセット量(車軸受

け部の車輪幅中央からの距離)

が外に大きいですね(車輪の

中央部が外へ出っ張っている)。

 

「そこらへんは台車につけ

たらかくれるとこやから

どっちでもええんちゃう? 笑」

 

それもそうだ (^^

じゃー実際に台車につけてみた

外観をくらべっこしてみよう!

最初は、ライトウェイト(LW)

客車の台車に両方をつけてみた

感じからね。

メタルホイール フォックスバレー Nゲージ アメリカ型鉄道模型ブログ 台車で比較

上は直接接地させた場合、下はレールに載せた場合。左側がFVM車輪、右がNWSL車輪。

「フランジがおおきい

ゆーことは台車の上

から出てボディ床下

にあたりやすいゆー

こと?」

 

実際には、台車の固定ピン台座

の高さを調整して床下に当たら

ないよう設計してあるから大丈

夫なんだよ。

でも、メーカー純正車輪から他

社品に交換する場合は、車輪径

と共に注意しなければならない

ポイントだね。

他社製のフランジが大きい車輪

に交換する場合、曲線で台車が

首を振ったときにカプラーケー

スなどと接触することもあるか

らそこも要注意だよ。

ちなみに上図のマイクロトレイ

ンズ製台車は33インチホイー

ル用なので、今回の36インチ

車輪への換装では両方が外側の

ブレーキシューに接触してしま

います(走行用に使用するには

ブレーキシューに当たらない

ための加工が必要です)。

 

貨物用台車の場合も見てみま

しょう。

Nゲージ用メタルホイール アメリカ型鉄道模型 フォックスバレー NWSL ノースウェスト

貨物用台車に換装した場合のFVM車輪(左)とNWSL車輪(右)を実車と比較

直接比較してみますと、いろ

いろなことに気付きます。

 

 

「こうしてみるとじつぶつの

フランジはさすがに小さいなー

! (^o^)」

 

実物では車重が重いことと、な

んと言っても曲線路の曲率が圧

倒的に大きいから脱線しないん

だね。

模型の曲率をスケール換算して

実物にすると、間違いなく殺人

カーブになるからね ・笑・

 

さて、以上の外観にかかわる

ところも含め、実際に寸法を

測定してみました。

その結果が以下の表ですが、

デジタルのぎすの測定誤差は

±0.01mm程度とお考えく

ださい。

フランジ Nゲージ メタルホイール フォックスバレー 36インチ NWSL ノースウェスト 寸法

NWSL製とFVM製の実測値比較 注)「車輪径」はフランジを含みません

軸径と軸長は両者でほとんど

同一ですね。 仕様表示の軸長

0.540インチがきちんと

実現されています。

フランジ量は外観で見たとおり

NWSL製はFVM製の半分以

下ですね。

おもしろいのはフランジを除い

た車輪径で、写真では大きく見

えていたFVM製の方が、実は

NWSL製より若干小さいことが

証明できました。

車輪径欄の下の値は、実車にス

ケール換算(160倍する)し

たもので、NWSL製の方がよ

り「36インチ」に近いこと

がわかります。

(FVM製ではフランジ量を

確保するため、車輪径を若干

小さく設計した可能性があり

ます)

 

「ほんま、NWSLさんが

いろいろこだわってつくっ

てるんがよーわかたわ。」

 

ほんとに、いいことずくめ!

と言いたいところだけれどね、

弱点もあるのだよ。

 

ここまではフランジ量も含め

全て静的性能である外観の

おはなしでした。

けれども車輪は「転がってな

んぼ」のパーツですから、

この動的性能を考えますとフラ

ンジ量の小ささは一転、圧倒的

な欠点になるわけです。

特に車重が小さく曲率も小さい

線路を走行することが多いNゲ

ージレイアウトにとっては、フ

ランジが過小で脱線頻度が多く

なることは致命的です。

また、こだわりの材質や外観に

しても走行中は全くわからないし、

殆ど見えない部分でもあり、

脱線頻度の多さを納得させるこ

とはとてもできません。

 

今後、ケンズタウンにて販売を

予定していますが、どうぞ以上

の強みと弱みを考慮されてご購

入をご検討いただければと思っ

ております。

尚、NWSL製品パッケージに

は、軸長0.540インチが

適合する台車(車両)メーカー

としてアトラス社(ATLAS)が

表記されていますが、少なくと

も昨今のアトラス製台車には

軸長が短すぎて適合しませんの

でご注意くださいませ。

また、マイクロトレインズ(MTL)

製台車の場合でありましても

軸長0.540インチは台車

軸受けとの遊びが殆どなく、

回転摩擦が大きくなる場合が

あります(マイクロトレイン

ズ純正ホイールの軸長は

0.300~0.350インチ

程度です)。

 

「そやけど、見えへん部分

にまでこだわって製品を

つくる気概のあるメーカー

がある、ゆーことはほんま

やもんねー (^^ 」

 

北米では鉄道模型が目の肥えた

大人の趣味として確立されてい

るからこそ、Nゲージ製品の細

部にまで真剣になれるのかもし

れないね (^^

 

いかがでしたでしょうか。

今回はこだわりのメタルホイール

についてご紹介をさせていただ

きましたが、何か少しでも皆様方

のお役に立てます情報がありまし

たら幸いです。

 

それではみなさま、

また次回までさようなら (^0^)/